検査内容

通常二本の対をなす染色体を両親からそれぞれ1本ずつ受け継ぐ分裂の際に、ある番号の染色体において3本になってしまった状態のことをトリソミーといいます。
基本検査のトリソミー検査とは、常染色体の13番(パトー症候群)、18番(エドワーズ症候群)、21番(ダウン症候群)染色体にトリソミーの疾患があるのかを検査します。
母体年齢21トリソミー18トリソミー13トリソミー
主な症状知的障害、先天性心疾患、消化器疾患、甲状腺疾患、難聴や視覚障害、筋緊張低下、関節弛緩成長障害、先天性心疾患、呼吸器系合併症、消化器系合併症、泌尿器系合併症、筋骨格系合併症、難聴、悪性腫瘍成長障害、重度の発達の遅れ、中枢神経系合併症、呼吸器合併症、循環器合併症、消化器合併症、尿路生殖器合併症、内分泌合併症
母体年齢21トリソミー18トリソミー13トリソミー
発症率(何人に1人か)
20-241,66718,01342,423
24-291,25015,95137,567
3095210,55424,856
319099,16021,573
327697,77518,311
336026,45815,209
344855,25612,380
353784,2029,876
362893,3077,788
372242,5696,050
381731,9744,650
391361,5053,544
401061,1392,683
41828582,020
42636441,516
4349
4438
4530
4623
4718
4814
4911

アルツハイマー型認知症遺伝子

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、アミロイドベータペブチドという老廃物が脳に蓄積し、 神経細胞に障害を与えることが原因で発症します。
アルツハイマー病の発症には遺伝的要因以外に加齢や生活習慣なども関係しています。特に糖尿病や高血圧は、アルツハイマー病のリスク因子として有名です。
生活習慣の改善など適切な予防を行えば、アルツハイマー病の発症を防ぐこと、遅らせることができることが最近の研究でわかっています。
APOE遺伝子検査TOMM40遺伝子検査
アミロイドベータペブチドの蓄積や凝集に関わる物質のひとつが、アポリポタンパク質Eです。
それを司るAPOE(アポイー)遺伝子には、主にε(イプシロン)2、ε3、ε4の3種類があり、 2つが一組となって遺伝子型を構成していまます。
TOMM40遺伝子検査を加えることで、発症リスクの予見精度を高められると考えられています。

性染色体検査

性染色体は、元々男女で本数が異なり、正常女性でも1本以外は不活性化と言って活動を抑えるため、トリソミーやテトラソミー(通常2本の染色体が4本の状態)になっても過剰な染色体は不活性化して物質の生産の変動は小さく、常染色体トリソミーと比較して症状は軽く、一生発見されない場合もありますが、稀に重度の障害や、性別に影響を与える染色体であるため不妊や生殖器の奇形が起きることがあります。
名称発生確率症状
XOターナー症候群1/2,000

1/3,000
低身長、特徴的身体兆候、卵巣機能不全による二次性徴・月経異常などが挙げられる。
性腺機能不全を主病態とするため、不妊となる場合が多い。
XXYクラインフェルター症候群1/1,000学習障害、長い腕と脚、小さな精巣、無精子症による不妊症。
XXXXXX症候群1/1,000軽い知的障害がみられるだけで、ほかに目立った症状はない。
外陰部や卵巣、子宮、腟にも異常はなく、二次性徴もほとんどがふつうに現れる。妊娠・出産も可能で、
その子どもの大部分は正常な染色体をもって生まれる。母親の高齢出産で生まれる頻度が高いと言われる。
XYYXYY症候群1/1,000一生を通じて気づかれない場合が多く、最近は個性の範疇とする見方が一般的。
高身長、多動、知能の低下などが現れるという報告もあるが、逆に知能が高いとする報告もある。
名称発生確率症状
脆弱X症候群1/4,000

1/8,000
X染色体の異常に起因する疾患で、精神発達障害(場合によっては知的障害)、情緒不安定、注意欠陥と多動性、
自閉症様症状、長い顔・大きな耳・扁平な足、関節(特に手指)の過伸展を伴う。男性の方が女性より症状が重く、
大部分が精神発達遅滞をみせる。
日本版modified Rankin Scale (mRS) 判定基準書参考にすべき点
まったく症候がない自覚症状及び他覚徴候がともにない状態である。
症候はあっても明らかな障害はない:
日常の仕事や活動は行える
自覚症状及び他覚徴候はあるが、発症以前から行っていた仕事や活動に支障はない状態である。
軽度の障害:
発症以前の活動が全て行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える
発症以前から行っていた仕事や活動に支障はあるが、日常生活は自立している状態である。
中等度の障害:
何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
買い物や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とするが、通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要としない状態である。
中等度から重度の障害:
歩行や身体的要求には介助が必要である
通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要とするが、持続的な介助は必要としない状態である。
重度の障害:
寝たきりや失禁状態で、常に介護と見守りを必要とする
常に誰かの介助を必要とする状態である。

全染色体検査

常染色体は国際統一命名法で、長い(と考えられた)順に1から22まで番号が振られました。今では、長さの計算が実は間違っていたことが判明しましたが、そのままの番号名で呼ばれています。

13番、18番、21番以外の染色体に異常があった場合は、遺伝子数の多い染色体疾患に当たるため、出生前に淘汰され出生に至らないケースが極めて高いです。しかしながら、出生率は低いながらも0%ではありません。

1トリソミー出生報告なし12トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)
2トリソミー出生報告なし13トリソミーバトー症候群
3トリソミー出生報告なし14トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)
4トリソミー出生報告なし15トリソミー出生報告なし
5トリソミー出生報告なし16トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)
6トリソミー出生報告なし17トリソミー出生報告なし
7トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)18トリソミーエドワーズ症候群
8トリソミーごく稀に出生例あり19トリソミー出生報告なし
9トリソミーごく稀に出生例あり20トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)
10トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)21トリソミーダウン症候群
11トリソミー出生報告なし22トリソミーごく稀に出生例あり(完全型は流産)
脊髄性筋萎縮症(SMA)Duchenne型筋ジストロフィー症
脊髄性筋萎縮症は前角細胞(運動ニューロン)が進行的に萎縮することによって筋肉麻痺・筋力低下等の症状を起こす病気です。脊髄性筋萎縮症は患者さんの知力には影響を与えません。
脊髄性筋萎縮症は発症年齢・重症程度・筋力低下程度によって三つに分類されています。I型は重症型です。主に乳児期(約2歳前)に発症し、呼吸不全によって死亡するケースが多いです。III型は軽症型で、四肢近端に低度の筋力低下の症状がみられ、通常、比較的長く生きることができます。I型とIII型の中間的な症状が II型です。
Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD)は、幼児期から始まる筋力低下・動揺性歩行・登攀性歩行・仮性肥大を特徴とするX連鎖劣性遺伝病です。
筋ジストロフィー症の中でもっとも頻度が高く、原因はX染色体上のジストロフィン遺伝子変異です。これにより筋細胞の骨格タンパクであるジストロフィンの機能異常が生じ、筋線維に大小不同や脱落が生じます。遺伝子異常の多くはPCR法で迅速に検出できます。患児で診断が確定すれば、出生前診断も技術的には可能ですが、実施の際は十分な倫理的配慮が望まれます。

微小欠失検査

染色体の長い方を長腕(q)、短い方を短腕(p)といい、例えば1p36欠損症とは、1番染色体の短腕、36領域が欠損している疾患になります。微小欠失検査で検出できるのは下記の染色体異常です。
名称発生確率症状
1p36欠失症候群1/5,000

1/10,000
成長障害、重度精神発達遅滞、難治性てんかん
4p欠失症候群
(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)
1/50,000成長障害、重度精神遅滞、筋緊張低下、難治性てんかん、摂食障害
5p欠失症候群
(猫鳴き症候群)
1/15,000

1/50,000
低出生体重(2,500g未満)、成長障害、新生児期から乳児期の甲高い猫のなき声のような啼泣が特徴的
所見として高頻度に認められる。
この他に小頭、丸顔、眼間開離、小顎、内眼角贅皮、耳介低位などの顔貌所見や筋緊張低下、
精神運動発達の遅れが伴ってみられる。
プラダー・ウィリ症候群1/15,000内分泌学的異常(肥満、低身長、性腺機能障害、糖尿病など)、
神経学的異常(筋緊張低下、特徴的な性格障害、異常行動)がみられる。
小さな手足、アーモンド様の目、色素低下など奇形徴候を示す。
臨床症状の特徴は、年齢毎に症状が異なること。
・乳児期は、筋緊張低下による哺乳障害、体重増加不良
・幼児期から学童期には、過食に伴う肥満
・思春期には二次性徴発来不全、性格障害、異常行動
・成人期には、肥満、糖尿病などが問題となる
アンジェルマン症候群1/15,000重度の発達障害(特に言語表出障害)、失調性運動障害、
容易に引き起こされる笑いなどの行動を特徴とする疾患である。
また、行動異常、睡眠障害、低色素症、特徴的な顔貌(尖った下顎、大きな口)などを認める。
22q11.2欠失症候群
(ディジョージ症候群)
1/4,000

1/5,000
患者の80%は先天性心疾患を合併し、胸腺発達遅延・無形成による免疫低下、特徴的顔貌、
口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全、低カルシウム血症などを主徴とする。
心疾患は、ファロー四徴症、肺動脈弁欠損、肺動脈閉鎖、主要体肺側副動脈の合併などがある。
さらに、合併する免疫低下、血小板減少、肺高血圧などにより手術死亡の報告もあり、
未だ効果的な治療方法は未確立、予後不良の疾患である。

検査費用

プラン検査内容費用
A13. 18. 21トリソミー検査16万円(税抜)
17.6万円(税込)
B13. 18. 21トリソミー検査+性染色体検査+性別判断+全染色体検査20万円(税抜)
22万円(税込)
C13. 18. 21トリソミー検査+性染色体検査+性別判断+全染色体検査+脊髄性筋萎縮症(SMA)+脆弱X症候群23万円 (税抜)
25.3万円(税込)
D13. 18. 21トリソミー検査+全染色体検査+性別判断+微小欠失検査23万円 (税抜)
25.3万円(税込)

追加オプション

オプション項目費用
アルツハイマー型認知症遺伝子お問い合わせください
脆弱X症候群お問い合わせください
脊髄性筋萎縮症(SMA)お問い合わせください
Duchenne型筋ジストロフィー症お問い合わせください

検査の流れ

1.お申し込み

本サイトのお問い合わせフォームよりお申込みください。妊娠週数を確認し、検査日の候補をお電話にてお伺いいたします。

2.ご来院

ご予約いただいた日時に、
指定の採血医療機関にご来院ください。検査申込書、同意書等をご記入後、医師の問診・採血となります。検査自体は30分程度で終了します。

3.検査

採血後検査機関に血液を発送し、検査を行います。

4.検査結果

検体が海外の実験室に届いた日から10-14日で検査結果をご連絡いたします。メールもしくは郵送にて通知いたしますので、来院の必要はございません。